読者は知識を買いに来ているのではなく、思考を買いに来ている
私はそう思っています。
正直、たいがいの知識は検索で得られる時代ですし、三国志の武将についてはマニアの人たちがWikipediaやニコニコ大百科を一生懸命更新しているので、それなりに充実していると言えるでしょう。
地雷魚先生の頃は、渡辺精一の演義準拠の大百科ですら貴重でしたし、正史についてはちくまの本をあさるしかないし、ちくまの本自体が文庫化されていなくて、かなり取り寄せるのに手間がかかったりしましたけど。
ともあれ、知識はライターにとっては、最低限のラインであって、金のとれるライターというのは、知識でモノを語っていない人だと思います。
大事なのは知識から疑問を生み出す能力です
Wikipediaや本などの知識でいいのです、そこから『疑問』を生み出すことが大事なのです。
三国志の武将だったら、「なんでこの人はこんな性格なんだろう?」、「この性格がどんな結果を生み出したのだろう?」などなど、いろいろな疑問をできるだけ作るのです。
そして、その疑問を調べ、その過程を書いていくのです。
ただし、疑問を『知識』で解消してはいけないところが面倒くさいところです。
「この疑問はこの本で解決した!」「この疑問はこの論文で解決した!」で終わるのは素人ライターです。
プロのライターから、解決したその疑問から、さらに疑問を投げかけるのです。
そして、また調べる。
これを繰り返していくうちに、「本や論文では解決できない疑問」が出てきます。
それがあなたオリジナルの書くべき文章なのです。
それにこれを繰り返していくうちに、自然に知識は増えていきますので一石二鳥です。
調べりゃわかる事をドヤ顔で書いているのは二流です。
まあ、中には、「調べりゃわかる事さえ書いてないライター」が溢れているのが残念な所なんですけど。
知識を掘って疑問、疑問を掘って疑問、さらに掘って疑問をつづけて、解消できなくなったころが書きどころです。
そこまで知識を掘り、なおかつ考えていれば、よほどのことがない限り、あなたオリジナルの原稿になっている筈です。
読者はその思考の過程にお金を払ってくれるのです!
知識が簡単に得られる時代。
プロのライターなら思考を売りにしていくことが大事になっていくと思います。
それがこれからのライターの武器になっていくでしょう。