私は独身だしひねくれものだし非モテの男だから、こういう男と女の恋愛シーンとか「ケッ!」ってなっちゃうタイプなんですよ。
けど、この『キングダムカム・デリバランス』のヘンリーとテレーズって、故郷は焼かれて、親兄弟友達がほとんど死んで、生き残ってもラッタイで難民扱いされているという悲惨な状況なわけです。
というか、このゲームの場合避難民でなくても、普通に生きていることそのものが地獄(毎日のように盗賊が出るし、クマン人に襲われるし、一日の生活を稼ぐのが精いっぱいな上に突然戦争やら労役やらが待ってる)なわけですよ。
なにしろ、地獄なせいでキリスト教の改革派であるフス派が勃興して、さらに地獄のフス戦争に持っていかれるという、地獄after地獄な時代。
なので、こういうほのぼのとした幸せなシーンが沁みる……。
恋愛にケッ! ってなる以前に、「この程度のささやかな楽しみすら邪魔が入る(入った、バーナード隊長に鍛えてもらっててよかった)時代なんだよなあ……」と涙ぐんでしまう。
物凄い素朴な事で大喜びなのよ、この二人……。
ケッ! ってなるよりいじらしくてたまらんなくなります。
そのなんというか素朴だが日常は地獄、でも人間は懸命に生きてるっていう感じが『スカイリム』や『ウィッチャー3』違った味わいになっていると思います。どちらも英雄だしね。
ヘンリーの場合ラジク卿とかステファニー夫人の使いっぱしり(それでも上等の身分、同郷はみんな物乞いか盗賊になってる……)なので、生きること自体が大変なんですよ。
なので同じオープンワールドでも楽しみ方が違う。
むしろ『太閤立志伝』シリーズに近いかなと思いました。
テレーズはねね様ですねー。