3月の決算期を控えてきて、どうやらソシャゲバブルも終わって『FGO』や『グランブルーファンタジー』や『モンスト』や『デレマス』などの上位陣が寡頭体制に入っていっているのが見えてきました。
そんな中で、一年前から推している指揮官だったにも関わらず予想外の健闘を見せているのが『アズールレーン』だったりしますが、この成功の秘密は前者の上位勢とはちょっと違うように市場を見ていて思うのです。
というのは、『アズールレーン』の課金圧の緩さです。
言ってしまうと月960円の「貿易許可証」さえ買ってしまえば、月々の資金やキューブが足りなくなることはあまりないですし(デイリーやウィークリーでたくさんもらえる)、もらった500ダイヤで母港拡張やたまには指輪も買ってあげられる。
そのダイヤですら章ごとのクリアやイベントやたまにある委託で貰えたりする。
だいたいシマっている指揮官たちや課金の軸になっているのは、攻略にはまったく関係のない(能力とかも関係ない)スキンです。
もう一つが、そのゲームの攻略難易度の低さです。
「レベルと金+10装備で殴れば全部オートでクリアできる」というのは指揮官の口癖みたいなもので、『アズールレーン』は120まで育てきればほぼすべての艦でクリア(ブリ金ブリでさえ!)できるようになっています。
どうも、『アズールレーン』はよくまとめサイトに毒された人が言っている「覇権」とは別の戦略をとっているようなんですよね。
それが「2ndゲーム戦略」だと思います。
たぶん『アズールレーン』は『FGO』や『モンスト』や『グランブルーファンタジー』や『デレマス』などの上位陣と正面からは戦おうとしていませんし、プレイヤーにとっての一番にはなろうと考えていないようなのです。
どんなに上位陣のゲームにハマっていても、たまには別なゲームが遊びたくなるときがあります。
そんなときに、ちょっとした暇や空き時間や余裕のある時間に遊べるようなゲームというように『アズールレーン』はどんどん洗練されていっているのです。
それこそ、サービス開始当初は、「覇権」を狙っていた頃があったのでしょう、デイリーハードは6回も攻略する必要があり、しかも道中雑魚艦隊と戦わなければなりませんでした。
今復刻されている凛冽イベントもデューク・オブ・ヨークをゲットするには、わりと張り付いてゲームをフレーしなくてはならなかったように記憶しています。私などは前回はDoYをゲットしたところで力尽きましたが、今回は必要ポイントが5分の1(!)ぐらいに減っていて、四箱目総浚いしても一週間残っているほどでした。
またデイリーハードも三戦戦えばよくなり、今ではボス艦隊さえ戦えば良いというゆるゆるさになっています。
これからの復刻イベントも、新イベントもどんどん緩くなっていくでしょうし、KANSENたちは強くなっていくので通常海域の攻略も容易になってくるでしょう。
要するに『アズールレーン』はプレイヤーの「ナンバー1ゲーム」として張り付かせるのではなく、「ナンバー1ゲームに疲れたらちょっとやってみませんか?」という具合に課金もプレー時間も難易度もゆるくなっていっているのだと思います。
もちろん、それでも「プレーしていれば愛着が湧く」のは当然で、好きなKANSENも出てきますし、スキンや指輪も買ってあげたくなります。
余談ですが、最近の『アズールレーン』のスキンはクォリティがすごいです。ゲーム本編より力入っているんじゃないか? というぐらいのL2D(伊吹と太原がすごかった)が入っていますし、スキンを買ってあげると、普段はツンツンしていたシェフィールドが顔を赤らめたり、ノリノリでクローク&ダガーを演じてくれたりと、キャラクターのちょっと深い部分を見せてくれるのがたまりません。
話を戻しますと、『アズールレーン』は上位陣がいよいよ寡占体制(実際課金圧はすごいですし、それは否定しません。儲ける所は儲けるべきですし、上位陣はどこもクォリティがハンパないですから!)に入っている中、「ちょっとナンバー1ゲームに疲れた人たち、や課金の余った分ぐらいを拾っていく」という「2ndゲーム戦略」に去年の春ぐらい(鉄血復刻辺りから)意識的に入っていると思います。
もちろん、プレーすれば愛着が湧くのは当然で、だんだん『アズールレーン』が好きになってきたり、広告戦略の露出から最初から『アズールレーン』がナンバー1だったりするユーザーが20万人ぐらいはいると思います。
しかし、ここからあえて搾り取るのではなく、緩い課金圧とゲーム性で広く浅く利益を得ているのが『アズールレーン』というかたぶんyostarの戦略だと思います。
もちろん20万人ぐらいはいるコアユーザーのためにグッズやアニメやメディアミックス展開などはしていますが、あくまでもゲームは緩くしていく方向に舵をとっていると言えるでしょう。
さすがにクリスマス、年末、旧正月のスキン攻勢と新キャラ動員はビックリしましたが、これらも決して必須級なキャラはいない(シリアスは人気ですし強いですが、そこまで強くない、むしろおっぱい)ですし、スキンは買う人間の自由です(にしても伊吹と太原とセントルイスのL2Dはすごすぎましたけど)。
そういう「2ndゲーム戦略」を大っぴらに展開しているゲームが今の所『アズールレーン』ぐらいだったので、ちょうどいい位置に入ることが出来たというのが2018年の『アズールレーン』の躍進だったと言えるでしょう。
そして、今後は上位陣がほぼ寡占状態になっていく以上、国産ソシャゲも本格的に「2ndゲーム戦略」に乗り出してくるのは間違いない所だと思われます。
『アズールレーン』にとって実はライバルになるのは、今後上陸してくる艦船擬人化ゲームではなく、「2ndゲーム戦略」をとってくる国産ゲームや欧米中韓のゲームになってくると思います。
緩いゲーム性と魅力的なスキンと軽い課金圧で多くのユーザーの支持を集めて、その中からヘビーユーザー向けのメディアサービスをしていくというビジネスモデルをyostarが成功させたわけですから、このやり方に集まってくるのは間違いないところでしょう。
『覇権争い』から『2nd争い』に、2019年のソシャゲは転換していくのだと思います。
ところで今年のバレンタインは誰かもう決めました?
うちは最初の嫁であるプリンツ・オイゲンに決めて、すでに秘書艦にしてあります。
やっぱ美人だよなーオイゲン、だいしゅき!