軽巡洋艦アキリーズ(ロイヤル)
アズールレーンがここまで人気コンテンツになっていったのは、ものすごく当たり前だが、キャラクターの立て方の上手さであると思う。
よく『美少女動物園』とも言われるソシャゲやアニメの美少女たちのコンテンツ。
だが、それらが売れるか売れないかは別として、ある一点において二分されると思っている。
それは「ユーザーへの共感」である。
正直、私が好きではないそういう美少女コンテンツは、とにかく主人公を肯定しまくる、共感しまくる、持ち上げまくる。
そういうのが心地良い人がいるのもわかっているし、それで人気を集めるコンテンツが在るのも事実だ。
だが、一方でアズールレーンは、案外と指揮官を全肯定しない。
意外と指揮官と共感していない。
むしろ、指揮官の方でも「うわぁ・・・」と思うようなキャラもかなりいる。
これが中国コンテンツだからそうなのかどうかは、残念ながら私もそんなに数多くやっているわけでもないのだが、アズールレーンは指揮官とあえて距離を置く部分や、指揮官の方が距離を置きたくなるような部分のある動力学的人工海上作戦機構・自律行動型伝承接続端子(以下、艦船)が多い。
このアキリーズもそんなキャラクターの一人で、指揮官を「OK、アキリーズわかったよ~指揮官はバカだって!」とか「知ってる?男はドーテーで30歳をすぎると魔法使いになるよ!」とかからかいまくる。
小悪魔キャラというより、むしろもっとストレートにクソガキである(笑)
というかアズールレーンは、けっこうクソガキキャラが多い。
アキリーズ以外にも、人気キャラの一人フッドを「オバサン」と言うアバークロンビー。
常に指揮官の上手を行くアルバコア。
指揮官を下僕として扱おうとするドイッチュラントなどなど……。
もちろん、戦いを通じて好感度を上げればみんな指揮官ラブ勢になるのだが、そのラブになるにしてろ、「指揮官と同化していく」ような感じではなく、「一人の女として指揮官を一人の男と認める」という場合がほとんどだ。
私はこのような「美少女動物園」と呼ばれるコンテンツには二種類あると思う、他のキャラがみんな主人公の代弁者であり、やがては主人公を共感の渦に巻き込んでいく「共感コンテンツ」。
そして、アズールレーンのような主人公をあくまで「他人」として扱い、他人として受け入れていく「共存コンテンツ」。
どちらが良いとは言わない、どちらにも優れたコンテンツはあるし、どちらも人気がある。
ただ、アズールレーンは日本のソシャゲの大多数が「共感コンテンツ」として成り立っていく中で、「共存コンテンツ」として現れた違和感が、その爆発の一翼を担ったのではないか? と思っている。
私も、ごくごく初期からアズールレーンのキャラクターたちが、「男を受け入れるというより、男を食い荒らす感じ」と表現したように、どこかそのキャラクター性に違和感を覚えてハマるようになっていった。
この辺り、案外、アズールレーンにハマっている人も知らず知らずのうちに感じている部分なのではないかと思う。
それこそ美少女擬人化ソシャゲは日本にも中国にも無数にあるのに、一つだけ突然現れて人気を集めていった。
その一つの理由として、キャラクターの立て方の違和感があったのではないかと思う。
そして、今ではアズールレーンのキャラクターたちは、ほぼ史実の艦船とは独立したキャラクター性で人気を集めるようになっている。
この辺り、つきつめて考えると面白いと思う。
とりあえず、このアキリーズというキャラクター、育てていないため、ずっとドーテーとからかわれっぱなしなので、くやしくてこんな事を考えた(笑)
そんな原稿になった、どっとはらい。