回天嵐世(かいてんらんぜ) 仮想幕末戦記

比較的最近の企画。
幕末に水戸を活躍させてやりたい一心で書いた。
「格好いい茨城弁」が裏テーマ

とはいえ、もう歴史モノなんてやれる出版状況でもなかった。

個人的には、暗殺で死ねずに、尊王でも佐幕でもない、死の商人と化した坂本龍馬まキャラと設定が気に入っている。

回天嵐世(かいてんらんぜ)
企画書

世界観

鳥羽伏見の戦いは謎の暗殺者によって大久保利通、岩倉具視が殺害されたことにより、宮中は議決せず、錦旗は出きぬまま幕府軍の勝利に終わった。
敗れた薩長連合はそのまま幼い明治帝を連れて西国に逃走。同じく幕府軍の徳川慶喜も後難を恐れて江戸に帰還し、東国で割拠の姿勢を見せていた。
その結果、日本は西国につくもの、幕府につくもの、あるいは諸外国に服するものたちなどで四分五裂の乱世の時代を迎える。
これはそんな時代に生きる一人の男と日本の物語である。

登場人物

和田八郎一胤(わだ はちろう かずたね【イチイン】)

主人公、水戸出身で内戦の続く水戸の中で生きてきた田宮抜刀流の使い手。内乱によって幕末の政局に関われないままで居た『水戸の怨念』たちの一人。
実はお姫様好きだが、自分のようなブ男にはふさわしくないと思って、平野ならふさわしいと思っている。
佩刀は「太刀 児手柏」、水戸家の家宝だが、雅がこっそりと持ちだして、和田に貸している。

平野篤胤(ひらの あつたね)

和田の義兄弟。若き10代のメガネの美少年軍師。若いながら私塾「鳩居堂」にて大村益次郎に学び、水戸藩の非公式の留学生として上海へ行ったこともある。普段から洋服を着ている。

清水雅(しみず みやび)

御三卿のひとつ清水家に連なり一橋家の養女として養われるが、生来のじゃじゃ馬。鉄砲を扱い私物の拳銃コルトM1847(桜田門外で使われた銃と兄弟)とウィンチェスター銃を使う水戸の荒姫。水戸藩邸に残り『お姫様(おひいさま)』と呼ばれながら、女ながら天下に名を轟かしてやると考えている。名スナイパー
和田に好意をもっている。

プロローグ

「新政府っちゅうやつの会議はこちらかのう?」
影のみの血刀を下げた男が禁裏の正面から入ってくる。
「何者だ!」
「きゃああああああああ!」(示現流の猿叫)
と問う間もなく護衛の衛士が斬りかかる、
が男は抜刀も納刀も見せぬまま倒される。
そのまま会議の座に入り。
「大久保一蔵どの、岩倉具視どの、遺恨はござらんが、天意につき誅されていただく」
抵抗しようとする二人だが、わずかな手の動きが見えただけで、
二人の首が飛んでいる。
腰を抜かしている新政府や公家の面々
「た、田宮抜刀流……」
そのまま黒い後ろ姿にかけられる声

ナレーション
「田宮抜刀流……薩摩の示現流と並び、幕末に恐れられた実在する抜刀術である。水戸藩の御家流として伝えられ、幕末で京を中心に猛威を振るったという……」

第一話 間に合わなかった者たち

和田「いがっぺえ? 聞かせてくれでもよう?」
ダンダラ模様の新選組に一人の男が斬りかかっていくる。
長身痩躯で目は人一倍大きく愛嬌をはらみながらも端正と言えなくもない。
とても若い十代にも見える。
よくよく見ればその全身が無数の傷で覆われているのが分かる。
そして新選組に囲まれて一歩も引かない。

新選組「誰が貴様のような田舎者になど……」
と剣で「説得」している間に新選組の隊士と巨漢(近藤勇)がやってくる。
そして隙もなく包囲する。
新選組「こいつです! 貴様隊士に向かって何をしている!?」
和田「そりゃあ、決まってっぺよ。道さ聞いてんだぁ」
新選組「その訛り! 水戸のもんかぁ」
新選組「道なら、どこへ向かおうとしている?」
和田(にぃと笑いながら)「新選組屯所」
近藤「斬れっ!」
斬りかかる新選組を次々とみねうちで払っていく和田。

近藤は余裕げにそれを見ている
近藤「ほほう……なかなかできるのう」
和田「あんだが、組長さんけえ? 俺ら(おいら)が勝ったら教えでくれるのげ?」

突撃する和田。そして、鍔迫り合いになる
近藤「そうだなぁ、聞くなら剣に聞いてくれるか?」
と抜き払う。

和田「隊長さん、あんだ強いな……。いろいろ修羅場くぐってッペ? でもよう、水戸もよう……」
回想(死屍累々の城下で尚も戦い続ける武士たち)
ナレーション「幕末、密勅降下事件や桜田門外の変など尊皇攘夷運動の先駆けを切っていた水戸藩であったが、薩長土肥などの雄藩とは違い幕府の至近距離にあったため、数々の工作や圧力などによって諸生党(親幕派)と天狗党(尊皇派)の二派に分かれ、互いに争い殺しあいながら幕末史の中に埋没していったという血塗られた歴史を持っていた」

和田「そりゃあ、蠱毒のようなもんだっぺ。毎日が血と剣の修羅場だあ、俺らが強いのも当然ダッペ!」
と近藤の刀を跳ねながら叫ぶ。
納刀。
そして抜刀居合術。
近藤はかろうじて受け止める。
和田「あんだ、つえええなぁ!」
にぃと笑う。
近藤「コレは田宮抜刀流……」

ナレーション「田宮抜刀流! 定寸より二寸長い刀を推奨し、居合の間合いと美しさを重視し『美の田宮流』とも言われた。水戸のお留め流となった新田宮流は、右手で鯉口を隠し技の起こりが見えにくい技として、より実戦的な抜刀術として改良されている。新選組では薩摩の示現流、水戸の田宮流として注意すべき敵として薫陶されていたという」
(お留め流とは藩内の必殺流派として、門外不出にされた流派のことである)

和田「天下を勝手に終わらせるんでねえ! 今度こそ俺たづぁッ歴史に取り残されないようにきたっぺよ!」
近藤「な、なにを馬鹿なことを言っておる」

遠くから新選組の大部隊の足音。

和田「こりゃいげねえ……またくっぺよ! じゃあなあ、強い人」

走り去っていく和田。

土方「近藤さん、いったいどうなさいました?」
近藤「今日は今どき珍しく水戸の者に絡まれていた。トシ、すぐに調べてくれはしないか? 確か先日禁裏を襲った者の目撃証言で、『田宮流の使い手だった』というのがあるはずだ」
土方「わかったっ」
近藤「そうだなぁ、トシよ。まだ乱世、なんだよなぁ」
土方「それがどうかしましたか?」
近藤「久しぶりに、血が滾ってきた心持ちだぁ。なぁよ!?」
土方「そうだなあ、イサミさん」

ナレーション 時は1868年、大政奉還はされたものの明治新政府は、大久保一蔵、岩倉具視の暗殺によって朝廷を味方につけることに失敗。鳥羽伏見の戦いに敗れ、幕府は東帰し、世は混迷の時代を迎えようとしていた。
そんな中に「幕末に間に合わなかった者」たちが各所現れ、世を乱世、いや嵐世に導こうとしていた。

第二話 水戸の風雲

新選組の密偵が後をつける中、和田が入っていったのは、京都の水戸藩邸。
さすがにそこまでは新選組は入れない。
水戸藩邸内は水戸藩士はすべて徳川慶喜に従って江戸に帰っているので誰もいない。
だが、そこに洋装の男が残っている。

平野「よーお、八郎。帰ってきたか」
と彼は流暢な江戸弁でしゃべる。
和田「近藤勇にあってきたッペ」
平野「上等上等、どうでえ、あれっちの新選組は味方になれそうかい?」
和田「なんかの腹ぁもってっぺな、あれぁ」
平野「こんなご時世に、幕府に従わずに京に残ってるんだぁ。何も考えてねえとは言わさねえ。上等上等(口癖)」

平野、地図を広げながらとうとうと説明を始める。
平野手製の地図を見開きで。

平野「これが、今の天下の情勢だ。鳥羽伏見の戦いで、幕府軍は勝ったが、聖上をかっさらって西に逃げてしまった。そのせいで今も正統性は新政府にある。それを恐れた将軍慶喜公(ケイキこう)は、一旦江戸に戻って体制を立て直そうとしている。おかげで京都は軍事的にも政治的にも空白地帯となってしまっている」
和田「藩邸の水戸藩士もみんな江戸に行っぢった。おかげで俺らたちが好きに使えるけども」
平野「その通りだ。そこで俺たちはあえて京都に残って、天下の空白地帯で事を起こすことにする。そのために藩邸から藩士が撤退するドサクサで、いろいろと用意してきた」
和田「今度こそ水戸は乗り遅れちゃなんね」
平野「そうだ。この大乱に真っ先に踊り出ていながら、幕府の妨害と同士討ちで、時代に取り残された水戸は、薩長土肥にすっかり乗り遅れた。幸いなことに鳥羽伏見の結果で、まだまだ大乱は続く! 今度こそ我々は時代に取り残されないように、上手く立ちまわるべきなのだ。」
和田「俺らの抜刀術は千載青史に名を残すために磨いてきただ」
平野「しかし、一つだけ謎なのが、今も京都に残る新選組だ。本来なら幕府軍についていくはずなのに、今も京都で最大の軍事力を抱えながら、京都の治安を守るためと称して居残っている。もし思惑があるならば……」
平野「それを利用させてもらうっ!」

そこに姫さま登場。
清水「また悪巧みですか? ふたりとも」
和田、真っ赤になりながら(憧れている)
和田「わ、悪巧みなど……」
平野「悪巧みっていうかね、この誰もいない水戸藩邸を領地にね……天下を盗らせるって前にも言ったし、お姫(ひい)様もそれにノッたわけでしょ? そのお膳立てさね」
清水「それならば言ってくださればよろしいのに。いつだって、私の銃は万全ですわ」
平野「……と言っている間になにかきたようだぜ」

と飛び込んできたのは京の町人。
町人「み、水戸のお方! お押し借りの集団が店に!」

和田「どごだ?」
町人「ご、護王神社近くの商家に」
平野「兵は神速を尊ぶってね、いくぞ八郎! お姫さん!」

と瞬く間に走っていく三人

走りながら三人は打ち合わせ。三人とも十代で若く足が軽い。
平野「お姫さんは、いつもどおり、遠くから制圧射撃と、頭を見つけたら狙撃」
清水「わかった!」
和田「俺らは、いつもどおり切り込みダッペ?」
平野「おうよ、八郎は頭使わななくていいな!」
和田「おめえに頭は任せでる」

清水の銃撃と和田の切り込みで混乱し斬られていく。

平野「……俺たちは、今度こそ歴史に乗り遅れるわけには行かねえんだ!」

それを遠くから見ている隊士を率いてきた土方。

土方「……奴ら、使えるかな? 試してみるか……」

第三話 水戸の遺産

土方の策謀で水戸藩邸が賊に襲われる
京都の浪士残党は100人あまりで素人ではない。
だが、和田は切り込み、雅は櫓の上から狙撃。
そして、そこに現れたのが、徳川斉昭が作った大砲『太極砲』。
平野「海では役に立たないが、陸戦では充分に使えるんだぜ!」
と砲術家としての側面も見せる平野。
太極砲は炸裂弾なので、臼砲として使えば、まとめて人を殺せる陸戦では充分に驚異的な兵器である。
http://komonsan.jp/tokiwajinja-keidai/post_35.html

第四話 新選組決起!

土方の報告で、近藤と水戸の三人が会談し、
三人は「歴史に間に合うために戦いたい」という意思を明らかにする。
新選組がどう動くかについては明らかにしないが、
平野「新選組がどう動くかよりも、幕府が新選組をどうするかってところだろう?」
と発言し一同を驚かせる。
そこに新選組に対する幕府の江戸への帰還命令が届く。

第五話 剣刃嵐世

新選組の帰還命令は実は罠であった。
新選組は京都郊外で、洋式歩兵に囲まれる。
幕府は勝手に京都にとどまっていた新選組を、今後の邪魔者として粛清しようとするのであった。
罪状としては勝手に京都から密勅を受けたとするものであった。
絶体絶命の危機。
覚悟を決めて戦おうとした矢先、洋式歩兵の背後から悲鳴が上がる。
雅の狙撃兵であった。
そして平野の砲撃を背中に和田が突撃する。
そして乱戦、乱戦になってしまえば新選組は絶対に強い。
なんとか勝利する両者。

幕府からに見捨てられた近藤ら新選組と和田たちは、とりあえず手を組んで、この剣刃嵐世の世に出ようと決断するのであった。

主人公たちの目的

和田 歴史に名を残すこと。なので、ここで死ねば歴史に名が残ると感じればすぐに死のうと突撃していく。
平野 自分の知略を世に知らしめたい。
清水 男に生まれていればという言葉に反発し、女でも戦えるということを示したい。

鍵となる人々や勢力

・明治天皇 今は長州で臨時政府を作ろうとしている
・輪王寺宮 北白川宮能久親王、東武皇帝として即位
・徳川慶喜 江戸で輪王寺宮を頂いて東部政府を作ろうとしている
・長州藩 明治天皇を頂き西国政府を作ろうとしている
・坂本龍馬 暗殺は未遂となり、金に魅入られ死の商人として各国を渡り歩いている
・河井継之助 ガトリングガンを手に入れ長岡で割拠しようとしている
・鍋島閑叟 アームストロング砲などの兵器で割拠
・土佐藩 四国を統一しようとしている
・薩摩藩 九州を統一しようとしている
・イギリス 薩摩を支援し日本を植民地化
・フランス 幕府を支援し日本を植民地化
・アメリカ 南北戦争の余波で中立

当面のプロット

新選組はとりあえずは鳥羽伏見の戦いの決め手となった暗殺者の捜索に出ている。
そんな中に接触した和田八郎と水戸浪士の集団を発見する。
和田たちはは水戸浪士の残党で「幕末に間に合わなかった者」である。。
そんな中、新選組幕府に江戸に呼び出され、迎え撃ちにあい幕府に裏切られることとなる。
そのため、和田たちと手を組み正式に京都で独立。周辺で中立を決め込む藩を武力で抑え、伏見宮貞愛親王を頂き、明治天皇は長州に暗殺されたとし、残った公家たちを集めて新政府を樹立する。
そこから新選組と和田たちの本当の苦闘が始まる。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク