企画書 風と虹の王国<仮題>

徳間書店がなにか大きいことをやろうとしているらしいので、70歳ぐらいのベテランフリー編集から声を書けられ作った企画書の一つ。

キャラや舞台は気に入っている。
ただ一般受けはしねーだろーなー、特に日本だと・・・

風と虹の王国<仮題>

時代背景やコンセプト

 16世紀のユーラシア大陸。

 中国は明の時代、日本は戦国時代、そしてイスラム圏では強大無比なオスマン帝国が成立していた。いっぽうヨーロッパは大航海時代に沸き立っていた、そんな時代。日本人にとっても馴染みの深い時代でもある。

 いわば、ユーラシア大陸とその周辺が中世から近世へと歴史的転換を遂げるべく、沸騰していた最も活気溢れた時代。ユーラシア大陸時代が激動を迎えるとき、まったく表には現れず、ただの気まぐれが大陸各地の歴史変動の引き金となっていく、数奇な運命に翻弄された人物群像を描く。

 別に歴史的な野望があるわけではなく、たまたま盗んだものが戦争の契機になったり、ちょっとした出来心で略奪した姫が国の崩壊を招いてしまったり……。何か騒動を起こすたびにそれがきっかけで歴史が動いてしまう。

 ほんの些細なことで地殻変動してしまう歴史というものの、危うさ、面白さ。そして疾風怒濤の時代を迎えるユーラシア大陸を股にかけて、跳梁跋扈する騎馬民族出身の快男児と、その仲間たちの活躍を未曾有のスケールで描く歴史大河浪漫である。

*ウオン・カーウァイ監督の映画『楽園の瑕/原題:東邪西毒』のような、壮大な歴史浪漫作品をイメージしております。

http://www.youtube.com/watch?v=yoJfYrvrVHU <予告編>

  http://www.youtube.com/watch?v=2oPfRfTdG6k <本編) 

 

登場人物

*クロウ 18

 主人公。

 モンゴルの騎馬民族出身。モンゴルが生んだ英雄チンギス・ハーンこと、テムジンの末裔であると自称している。クロウという名前はかつて、テムジンがモンゴル草原に現れるまで名乗っていたとされる隠名を受け継いでいる。ある伝承によると、テムジンは東の島から渡ってきた源九郎義経とされる。そういう家系を背負っていることから草原では、クロウは異端視されていた。

 東洋人離れした長身、人を魅了する無邪気な笑顔。それを裏切る腹黒さが特徴。馬の名手で膂力に優れているが、意外や戦いはあまり好まない。

 ナーダムで成人すると草原を離れて明の国に渡り、その性格の野放図さと騎馬民族出身者らしい機動力で、盗賊と商人を合わせたような得体の知れない仕事をこなしている。

 それなりに裏社会ではその名を馳せており、何でもするという意味で、北京では“万面手”という異名をいただく。

 国家とか民族とか法律とか道徳とか、からっきし頭の中に存在しない。

 欲しいものは何でも奪う、居心地が悪ければ他所へ行く。馬さえあれば陸地の続く限りどこまでも赴き、住み家に困らないノマッドな男。

*白頭 年齢不詳

 名前はない。

 泥のように生まれ、糞の中で育った、北京でも最下層の属する孤児。

 生まれつき銀色の髪だったため、周囲から“白頭”と虐められ、差別されている。

 牛や馬の糞を拾って固めて干して、燃料として売って、なんとか生き延びてきた。しかし、実は牛糞や馬糞の売買も、ちゃんと商売として組織されており、この界隈の糞はこの組、ここの界隈の糞はこの組、と縄張りが決められている。

 白頭はその縄張りにさえ入れてもらえず、町外れの滅多に牛や馬が通らないようなところで、糞やモノを拾ってなんとか凌いでいた。

 彼がクロウと出会い、「メシでも喰うか?」と聞かれたところから物語は始まる。

 実は、白頭は12歳ぐらいの女の子であることが、後でわかる。

*翠珠 21

 クロウの愛人。

 元は北京の柳営(娼妓街)の出身(この辺は別に語る必要なし)

 色気たっぷりの女性だが、銃を操らせたら右に出る者はいない、超絶スナイパー。

 前歴が前歴だけに、中国のさまざまな裏事情に通じており、知識も豊富。ときには歴史の語り部となる。その知識と銃の腕前を活かして、クロウの右腕として働くことに。意外や、クロウ一党の中で一番の常識人。

*久忠 32

 倭寇出身の剣士。

 明の商人に依頼され、倭寇討伐を請け負ったときにクロウに捕らえられ、配下となる。

 その後、たびたびクロウの命を狙おうとするが、すべて“偶然”に妨げられてしまうのに嫌気が差して諦めてはいる。

 馬には一応乗れるが、馬上で剣を操るのは得意ではないので、戦いとなると必ず下馬する。しかし、彼の背負う斬馬刀は、馬上の者にとって凄まじく脅威である。

*ソロンゴ 年齢不詳

 モンゴル族の娘。モンゴル語で虹という名前。

 クロウとは幼馴染であり、常に彼の傍らに付き添っている。

 弓を得意としており、翠珠の銃の腕前と常に張り合っている。

 意地っ張りであり、素直になれないお約束な性格の持ち主。

 しかし、モンゴル人らしい素朴な少女であり、派手で都会的な翠珠と好対象である。

*ベクテル 年齢30歳 

クロウの兄だが現実派であり、明朝と融和政策をとっている。そのためクロウとは折り合が悪く、クロウの出奔の理由も、兄との確執であった。クロウはかつての偉大なるモンゴル帝国を復活させることを夢見ているが、現実的に不可能に近い夢だとわりきっている。

 決して悪人でも無能でもなく、現実は現実としてわきまえる事のできる人物である。

*そのほか、物語展開や要望に沿って、いろいろな配下が登場する予定です。

初期プロット

 なんのために生まれたのかさえわからない。

 泥のように生まれて、糞の中で育った。生活の糧といえば、道端の糞を拾って燃料として売ること。

 しかし、そんな仕事ですら、組合の目が光り、縄張りが張り巡らされていて、自由にならない。白頭の不気味な銀髪は気味悪がられて、どこの縄張りにも入れてはくれなかった。仕方がないので、町外れの河原で滅多にしか通らない牛や馬を待つしかなかった。満腹など知らない。常に餓えていた。

 そんな白頭は、あるとききらびやかで異彩を放つ服装をした馬上の男を見かける。慌てて駆け寄って、

見つからないように追っていく。しかし、気付かれてしまう。

 しかもまずいことに、餓えの極限にあった白頭はバランスを崩して、彼の服を汚してしまう。

 この失態により、白頭は死を覚悟する。人々にとって、彼は北京の泥のような存在。高貴な人を汚せば、問答無用、消されるだけだ。

 案の定、白頭は首根っこを掴まれて、川へ投げ込まれる。

 しかし、それは殺すためではなかった。

 男は白頭の体を拭いてやると、言った。

「腹が減っているのか?」

 おびえながら頷く白頭。

「メシでも喰うか?」

 もう一度頷く。

「よし」

 と男は、白頭を拾い上げて馬に乗せた。

 男が白頭を連れて行ったのは、見知らぬ富豪の大邸宅。

 屈強な用心棒たちを軽くあしらいながら、挨拶もなくズカズカと入り込んでいく。どうやらその家では宴が催されていたようだ。そして、食べ物が並べられた食卓に勝手に座ると、いきなり喰い始める。

 白頭にもスープなどを飲ませる。

 呆然とする客や主人や給仕たち。

 そう、彼らとは一切の面識はない。

 やっと正気に戻った主人が文句を言おうとすると。

 その男はなんとも言えない表情で笑う。

「うまいな」

 その笑顔に主人は毒気を抜かれて、何も言えなくなってしまう。 

 後で男は白頭に言う。「メシを喰ったら笑え」「メシ喰っていい笑いのできる奴は、一生メシに困らん」

 白頭は微笑む、男はその笑顔を愛でた。

 一通り喰った後で、男は主人の前に出て、面と向かって言う。

「美味かった。礼をしたいから、なんでも言え」

 無作法極まりない男に怒るどころが、逆に魅了されてしまった主人は、ようやくその異装と口調から、

彼の正体に気付く。

 男の異名、“万面手”。その名はクロウ。

 報酬さえもらえれば、あらゆることをやってのけ、あらゆるものを手に入れてくる男だ、と。

 さしもの主人は明の大臣。

 彼は“万面手”こと、クロウにあるひとりの娘の誘拐を依頼する。

 明ではこのところ、モンゴル草原のタタール族アルタン・ハーンが、不穏な動きを見せていることを憂慮していた。武力討伐できかねる状況であり、大臣はこれを懐柔するために明の姫を送るという政策を進めようとしていたのである。

 しかし、蛮人に本物の高貴な姫を送るなど、漢人としての誇りが許せず、彼は適当に市井から美しい女をさらってきて、アルタン・ハーンに送ることにしたのである。

 クロウはこの依頼を引き受ける。

以降の展開

 白頭は綺麗に着飾ると、ことのほか美形だった。

これを献上品として持って行くことに。

 実は元々、白頭の素質に翠珠が目をつけており、

また大臣たちがそんな陰謀を企んでいることは彼らは百も承知であったのだ。

 そして、大臣に白頭を献上する。

 そのまま、彼女はタタールに送られることになるが、その案内役としてクロウ一行も参加する。

彼らの本当の狙いは、白頭とともにアルタン・ハーンに送られる献上品だったのだ。

 万里の長城を出た後、漢人の兵たちの隙を突いてクロウたちは、白頭とお宝をまんまと強奪して逃げ去ってしまう。

 後にこの強奪に激怒したアルタン・ハーンは、万里の長城を越えて北京を包囲してしまう。クロウは、明の衰退のきっかけとなったアルタン・ハーン北京包囲の引き金を、見事に引いてしまうのであった。

 明から逃亡し草原に戻ったクロウ一行は、モンゴル族の現実を見る。

 かつてユーラシア大陸を縦横無尽に駆け巡り、大陸の八割を征服した誇り高き民族の勇姿はそこにはない。今はタタール族の配下として、卑屈に暮らすだけだ。

 そんな姿がイヤでクロウは故郷を捨てた。

 彼の血が騒ぐまま、ひたすら自由を求めて。

 しかしそれは同時に、故郷を敵に回すことでもあった。あくまでチンギス・ハーンの末裔としてモンゴル族の誇りと自由を求めるクロウは、タタール族の下で大過なく暮らそうとする同族たちの目の敵であった。

 その最も急先鋒となったのは、クロウの兄ベクテルだ。

 彼はアルタン・ハーンの配下として、クロウの敵となり彼を捕らえようとする。そして、今回のクロウの献上品強奪は、宣戦布告にも等しい行為であった。

 ベクテルは、ついにクロウ殺害を決意する。アルタン・ハーンに彼を草原から追放させるよう通告すると同時に、暗殺者たちを送り込む。モンゴル人、インド人、トルコ人。様々な人種からなる暗殺者たちは執拗にクロウたちを追い、クロウは彼らから逃れるために草原を出る。

 それでもなおかつ追われ続けるクロウ。

 この物語は、クロウという闊達なる“自由人”の痛快な生き様を語るとともに、“自由人”である彼が同時に、居場所のない人間であることのジレンマに悩む物語である。

 そう、クロウもその仲間たちも、縦横無尽にユーラシア大陸を駆け巡る“自由人”であると同時に、皆、故郷を捨てた、あるいは故郷から捨てられた運命を持つ者たちである。

 自由であることと、自分の居場所を持つこと。

 相反するふたつを求めて、クロウたちは旅をし、戦うのである。

 そして、いつか自由に生きられる自分たちのための“国”を作ること。その為に彼は金を集め、仲間を集め、様々な国や勢力と戦い、ユーラシア大陸のどこかに自分の“国”を作れそうな土地を探す。

 自分たちが自分たちのために生きられる、理想の“国”造り。

 そんな青臭い見果てぬ夢が、この物語のテーマである。

著者:地雷魚氏(別ペンネーム:大澤良貴氏)

<プロフィール>

 1973年生まれ。パソコン雑誌や広告PR誌の編集などを経て、フリーライターとして、三国志を中心とした多くの著書を執筆。

*著書に『三国志新聞』(日本文芸社)、『三国時代スペシャル』(アスペクト)、『ゲーム雑誌のカラクリ』(キルタイムコミュニケーション)、『ゲーム雑誌のカラクリ2』(キルタイムコミュニケーション、『真実の三国志』(宝島社新書)、『累卵の朱』(白泉社My文庫)

*企画・共著として、『三国演義写真図鑑』(アスペクト)、『よみがえる三国志伝説』(別冊宝島)、『よみがえる戦国武将伝説』(別冊宝島)、『よみがえる幕末伝説』(別冊宝島)、『ぼくたちの好きな三国志』(別冊宝島)、『僕たちの好きな三国志2』(別冊宝島)、『僕たちの好きな新選組』(別冊宝島)、『三国志読本 北方謙三別巻』(角川ハルキ文庫)などがある。

*他に、ウィンドウズゲーム『AfterDevilForce〜狂王の後継者』の原案、原作、シナリオ。『コミック三国志マガジン』(メディアファクトリー)において、企画、原作、執筆などを手がける。

【書籍の概要】

<1>原稿ご執筆枚数 2-300枚【一巻分】

<2>原稿脱稿予定日(1031日に、徳間書店からOKが出たとして)  115

<3>発売希望時期 41

<4>希望発行部数5000以上

<5>その他の条件 

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