そのシステム面の端整さを一度は評価してやりたい BeF

いよいよマイナーメーカーである。

しかし洗練されたシステム、キャラクターデザインなど、確実に良いところでバントを決めてくれるようなメーカーもあったのだ。

そのシステム面の端整さを一度は評価してやりたい

BeF

とにかく、端整なシステムまわりに惚れたというソフトハウスがひとつある。美少女ゲームではなおざりにされがちな、システム面が充実した作品を作りつづけるソフトハウス。それがこのBeFなのである。

はっきり言ってしまうと、美少女ゲームにとってはシステムもプログラムもどうでもいいものであるのかもしれない。プレーしづらいシステムであろうとも、バグだらけであろうとも、ちゃちいツクールで作ったようなヴィジュアルノベルでも、とりあえず萌える原画があって、読めるテキストがあれば、それはそれで満足だという面がないとは言えないだろう。

実際、もはや商品にしていいのか? というようなレベルの致命的なバグを抱えたゲームが発売されたりもするし、改造でもしなければとてもじゃないがクリアする気にさえならないといった腐れたゲームシステムの作品も少なくない。

というよりも、むしろ、まともにプレーする気にさせるゲームのほうが珍しいといってしまってもいいかもしれない。

ことゲーム造りに対するモラルという点では、哀しむべきことであるが、あらゆるゲーム業界の中で最低とも言えるレベルにある美少女ゲーム業界であるが、事情がないとも言えない。たしかに低予算、短期間で制作しているのだから、仕方がないのかもしれないが、そのツケをユーザーに支払わせているというのは、まったく商業倫理に反するとしか言いようがないので、さっさとそんな低モラルメーカーは消えちまえとさえ言いたい。しかし、それにしても大手と言われたり、名門と言われたりするソフトハウスでも、強烈な出来の作品をつくってしまうあたりが、この業界の救われないところかもしれない。

と、グチばかり述べてしまったが、そんな中にけっこう良心的な作品づくりをシステム面において展開しているソフトハウスがある。

それがこのBeFである。

このソフトハウスのインターフェース回りの出来のよさは、特筆に価する。

使いやすさ、PDA風の見栄えなど、実にこなれたものを持っており、丹念なシステムまわりの企画と、端整なプログラミング、そして充実したデバッグ作業の末に作られたものであろうという事が伺えるのだ。

またゲームシステムなどもなかなか考えられており、『All One’s Life』という作品では、各キャラクターなどに対する自分の態度や印象などをあらかじめ設定しておき、それをゲームに反映させる事ができるのである。これにより、相手の顔色を伺うだけでなく、自分の態度をある程度決定するという、よりアクティブな感情移入が可能になっているのである。

さらに、このソフトハウスのほぼ専属と言ってもよい厘京太朗という原画家にも注目している。過度にアニメチックにならない端整な人物を描き、なおかつ作品ごとに絵柄の向上が見られる努力家でもある。おちついた感じのする、彼の原画が実はこのレーベルの魅力そのものであるとさえ言えるのだ。ひそかに、個人的に一番期待している原画家の一人である。

そして、テキストも決して上手ではないが、それなりにまとまっており声優を起用した時もその演技指導によるものか、決してゲームの雰囲気を壊してしまうような使い方をしないのである。

そう、総じてこのソフトハウスの作品は端整にまとまっているのである。

だから、非の打ち所のないメーカーかというと、そうでもないのが残念なところだ。とにかく、まず全体の作品に言えるのがボリュームの少なさと起伏の少ないシナリオである。もう少しなんとかならないのか、という短さと平坦さのため、全体的なまとまりがよいから決してプレーして不愉快にはならないが、かといって印象に残る部分もあまりなかったりするのである。そのため、ほとんどこのソフトハウスの作品は、あまり話題になる事もなく過大な評価も受けることはない。

このあたりを解消するために、いいシナリオライターがいれば、絶対にブレイクする可能性を秘めたメーカーであるというのは確かなのである。

難点として書かせていただいたシナリオに関しても、特にヒドイシナリオというわけではないのだ。いや、むしろ男女の機微や日常の仕草などを捉える部分に関しては、かなり出来がよく、読んでいて雰囲気の感じられるむしろよいテキストではあるのである。しかし、やはりボリュームが少ない上に、起伏に乏しい。このあたりを直してもらいたいというより、シナリオライターではなくストーリーテラーが必要であると書き直したほうがいいのかも知れない。

実はここの作品をプレーしていて印象に残るのは、厘京太朗氏の原画とインターフェースをはじめとするシステム回りだけという、薄い印象しかない。しかし、これだ良心的な作品造りをしているメーカーも少なく、美少女ゲーム業界のモラルの底上げを促すつもりで、あえてプッシュさせていただいた。

一般PCゲームでもないような優れたインターフェースを持ったBeFというソフトハウス。なんというか、初回特典として致命的なバグがあるというのが、いつのまにか当たり前になりつつあるという、異常な世界と化した美少女ゲーム業界における、良心の光として、これからの奮戦に期待したいものである。

↑『All One’s Life』、このPDFを思わせるインターフェースは見た目ばかりでなく実に使い勝手もよく、ゲーム本編よりこちらに萌えてしまったのは内緒だ。

↑『BabyBE』、厘京太朗氏は場面の描き方や一面的でない女の子表情の描き方など、なかなかの力量のある原画家だと思う。もっとブレイクしてほしい人ではある。

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コメント

  1. 魂の光 より:

    PDF→PDA……?